【ワイナリー紹介】
新潟駅から車で約45分。角田浜と呼ばれる浜辺からわずか1.3kmの場所にカーブドッチワイナリーはあります。
この地に最初のぶどうの苗が植えられたのは1992年のこと。海の砂のような珍しい土壌を生かした、軽やかで体にすっと染み込んでいくようなワインを造っています。広大な敷地の中にはぶどう畑やショップ、レストラン、温浴&本が楽しめる施設が点在しています。更に徒歩5分圏内にも志を同じくしたマイクロワイナリーが4件あり、「新潟ワインコースト」としてワイナリー村のようなエリアを形成しています。ワイナリーステイがテーマの”トラヴィーニュ”、温泉&本&ワインが楽しめる”ヴィネスパ“という充実した宿泊施設も魅力の一つ。
【シードルプロジェクトの経緯】
2019年、外苑前の飲食店「レストランJULIA」との飲み話から始まったシードルプロジェクト。初年度はスライダーというミニハンバーガに合う味わいを求めて造り、2年目はリンゴの栽培途中で出る「摘果果」と食用に向かない「小玉」に焦点を合わせて造りました。
【摘果果との出会い】
そのきっかけは初めてリンゴ園を訪れた時の事です。
地面に転がる大量の摘果果に驚くと同時に期待を寄せました。
日本のシードルは主に生食用のリンゴを利用しており、酸とタンニンに乏しいのが課題でした。
摘果果はこの足りない要素を補ってくれる可能性があり、
さらに未利用の摘果果を原料にすれば、
・農家の所得上昇
・リスクヘッジ(収入のタイミングをズラす)
こんなことが可能なのでは。と考えたのです。
そして3年目、プロフェクトの集大成として2タイプのシードルを造りました。
全くの素人から始めたこの取り組みを通じてシードルの面白さと可能性に気づき、今後はカーブドッチとして本格的にシードルに取組むことを決めました。
【本ヴィンテージの仕上がりについて】
FUNPYシードル
このシードルでは王道ど真ん中を目指しました。リンゴの香りが立ち、炭酸があり、透明で黄色い。圧倒的な複雑さや奇をてらった味わいではなく、シードルに馴染みがない人にも違和感なく受け入れてもらえる味です。2021FUNPYシードルは特別に集めてもらった完熟小玉のふじ&シナノゴールドが66%、摘果果と呼ばれる未成熟なリンゴが34%です。発酵はシードル専用酵母を用いて行いました。また、一部に発酵前乳酸菌添加を行い果実の厚みを出しています。発酵終了後に瓶内二次発酵で泡をつけ、デゴルジュマンを行いました。品種の変更はあると思いますが、(2022年は紅玉も使用予定)今後もこのままのスタイルで続けたいと思います。
・FUNPY HOPPY サイダー
こちらはアメリカ発ハードサイダーの流れを意識して取り組むタイプです。そのため“シードル“ではなく”サイダー“と表記しています。HOPPYの名の通りシードルにホップを浸しています。現在の食用リンゴで造るシードルの頼りなさをホップで補強するイメージで造りました。このタイプは初めて造ったのでまだまだ改良の余地はありますが、今後も継続的に取り組んでいきます。FUNPY HOPPY サイダーは摘果果が66%、完熟小玉のふじ&シナノゴールドが34%です。そこにホップを48時間浸し、炭酸ガス吹き込み法にて軽い発泡感を持たせています。クラフトビールマーケットを強く意識しているため、瓶系もビールと同じ330ml瓶です。グラスに取るよりも瓶から直接飲んでいただきたい味わいです。